争って、
無罪を得た事件があります。
依頼者が特定されない範囲で、争点と弁護活動の中身をご紹介します。
覚醒剤取締法違反(所持)/事実を認めない事件
所持していたこと自体は争わず、「覚醒剤である」という認識があったかどうか、その一点に争点を絞りました。
検察官の立証を支えていたのは、依頼者に薬物を渡したとされる人物の供述調書でした。認識を直接に示す証拠は、ほかにありません。そこで、その供述の信用性を五つの角度から検証しました。供述した時点で、過去の出来事を正確に述べられる状態にあったか。調書と法廷とで、内容が変わっていないか。述べられている経緯が、それ自体として筋の通るものか。虚偽を述べる動機がなかったか。そして、物や数値として残っている証拠と食い違っていないか。
最後の点が決め手になりました。その人物が「渡した」と述べる量と、実際に押収された量とが、大きく異なっていたのです。あわせて尿検査と毛髪鑑定の結果を示し、依頼者に使用の経験がないことを明らかにしました。
さらに、違法な薬物だと分かっていたのであれば取らないはずの行動を、一つずつ積み上げました。捨てる機会があったのに捨てていないこと。警察官の目の前で、その物が入った所持品を自分から開けていること。検査が終わったあとに、その物が何であるのかを、自分から警察官に尋ねていること。
無罪
起訴されるかどうかが決まる前に、できること
身に覚えのない性犯罪の被害申告に対して無実を主張し、不起訴処分となった事件が複数あります。
この種の事件で結論を左右するのは、起訴されるかどうかが決まる前の段階です。捜査機関の見立てが固まってしまう前に、弁護人の側から反論を出しておく必要があります。黙って処分を待つのと、こちらから材料を出すのとでは、結論が変わり得ます。
当事務所は、終局処分が決まる前に、担当検察官に対して終局処分に関する意見書を提出します。書くのは、ご本人の説明が具体的で一貫していること、その説明が当事者間に残っている記録——連絡のやりとり、時間の経過、前後の言動——と矛盾しないこと、そして被害申告に至った経緯です。そのうえで、担当検察官と直接やりとりをします。
不同意性交等/事実を認めない事件/不起訴
身に覚えのない被害届が出された事件です。当日の経過をご本人から詳細に聴き取り、説明が具体的で一貫していること、残されている記録と矛盾しないことを整理したうえで、終局処分に関する意見書として担当検察官に提出しました。結果、不起訴処分。
準強制性交等/事実を認めない事件/不起訴
行為から相当の期間が経ったのちに被害申告がなされた事件です。当事者間に残っていた連絡の記録と、申告に至るまでの経過を時系列で整理し、犯罪が成立しないことを述べた意見書を担当検察官に提出しました。結果、不起訴処分。
なお、性犯罪の事件について、当事務所は事件の経緯を具体的に書くことはしません。この種の事件は、ご本人が特定されることの不利益がとりわけ大きく、相手方にとっても、終わった話を蒸し返す材料になり得るからです。
個別の事例を載せていない理由
事実を認める事件では、示談の成立により不起訴処分となった事件が多数あります。ただし、その個別の事例は、このページに載せていません。
示談事件は、罪名、被害者との関係、示談に至る経緯といった要素の組み合わせが細かく、書けば書くほど、ご本人にとっては「読む人が読めば分かる」記述になっていきます。前科を残さずに終えた事件であればなおさら、その記録が検索でたどれる場所に残ることは、ご本人の利益になりません。
このページに載せているのは、争って結論を得た事件のうち、地名・時期・数量・職業といった要素を落としても、弁護活動の中身が伝わるものだけです。