新川法律事務所第一東京弁護士会 所属 / 弁護士 新川 政広会社が告訴するかどうかが、最初の分岐です
発覚してすぐに動くのは、会社です。社内の調査、事情の聴取、退職の話、そして損害の請求。刑事事件になるかどうかは、その後に会社が告訴・被害届を出すかどうかで決まります。この段階でどう対応したかが、刑事の行方をそのまま左右します。
被害額が大きい場合や、証拠を隠すおそれがあると見られた場合には、逮捕・勾留されることもあります。一方で、会社が回収を優先して刑事にしない例もあり、ここは会社の判断次第です。
会社とのやり取りを一人で続けると、刑事の場面で不利に使われる書面が残ることがあります。調査に対する回答書や確認書、金額の認諾は、後から刑事の証拠として読まれます。
返済の枠組みを作ることが、処分を左右します
この類型で最も効くのは、被害の回復です。一括での返済が難しい場合も、原資をどう用意するのか、分割でどこまで払えるのかを整理し、実現できる枠組みとして会社に示せるかどうかで、示談の成否が変わります。
金額そのものに争いがあることも多くあります。会社の主張する被害額に、根拠の乏しい分が含まれていることは珍しくありません。帳簿や伝票を検証し、認めるべき範囲を確定させることが、返済の交渉の出発点になります。
示談が整えば、会社が刑事処分を求めていないことを書面で示せます。当事務所は、示談書を提出して終わりにはせず、担当検察官と適宜連絡をとり、処分のタイムリミットの確認や交渉の進捗を伝えて、手遅れになる事態を避けています。
なお、この類型では、刑事と並行して、解雇や損害賠償といった民事の問題も動きます。当事務所は民事事件も取り扱っており、両方を同じ弁護士が引き受けられます。
概算で答えた金額が、被害額として固まります
在宅の事件では、取調べの呼び出しに一人で向かうことになります。この類型では、いつから、いくらを、どのように使ったのかを、帳簿や伝票を示されながら細かく問われます。会社の調査に対して出した回答書や確認書も、同じ場で示されます。
記憶が曖昧なまま概算で答えると、その数字がそのまま被害額として固まり、後から争うことが難しくなります。分からないことを分からないと述べることも、この類型では大切です。
当事務所は、事案の内容や取調べの段階に照らして必要性が高いと判断した場合には、日程を調整して警察署まで同行します。取調べの前にその日の受け答えの方針を確認し、終わった直後に何を聞かれたかを一緒に振り返ります。